ある銀行の住宅ローンでは、
「変動金利 年2.5%」と
表示されていても、それとは別に
「適用金利 年0.7%~0.9%」
といった表示がされています。
インターネットでも、
このような広告が目につきます。
しかしながら、
この金利は誰にでも
適用されるものではなく、
優遇を受ける条件として
「給料振込のお取引のある方」
などと記載されています。
この文言から、
自営業者は「給料振込」がないので、
利用できないということになります。
さらに、
0.2%の幅がある
適用金利の中で、
どの金利を提示されるかは、
その人の与信度によります。
おなじ年収でも
所属する会社の規模や業種
勤続年数、家族構成
転職履歴なども影響します。
金融機関が一番心配するのは、
「最後までローンを返済できるか」
ということです。
収入が不安定とみなされる人は、
なかなか引き下げてもらえません。
一方、有利な条件を提示されると、
つい「借り過ぎ」てしまう人も少なくありません。
今は支払うことができても、
将来も大丈夫とは限りません。
万一、返済が滞ると、
大事なマイホームが
競売にかけられる可能性もあります。
そこまでいかなくても、
一度延滞すると、
優遇金利の特典を剥奪されて
一番高い金利で計算し直され、
返済額が一気に増えてしまうかもしれません。
住宅ローンで背伸びすると、
取り返しがつかない事態を招きます。
「貸してもらえるからといって返せるとは限らない」と肝に銘じましょう。
詳細は、拙著「公務員のためのお金の教科書」(翔泳社)をご覧下さい。