日本の社会保障制度は、
少子高齢化で給付減と
負担増の方向に向かっています。

 

具体例を挙げますと、
少子高齢化に対応して
年金の支給額を調整する「マクロ経済スライド」という仕組みが
2015年度より適用されました。

 

また、現在65歳である年金の支給開始年齢を
68歳から70歳程度まで引き上げる案も検討されています。

 

厚生労働省は、昨年6月に、「財政検証」を公表しました。

 

それによると、所得代替率
(受け取る年金額がその時点での現役男性ビジネスマンの平均的な手取り所得の何%にあたるかを示す指標)が、

経済が停滞するケースでは、
これまで政府が約束していた50%を割り込み、
最悪35%程度まで落ち込むという結果になりました。

 

「日本の年金制度は問題ない」としてきた
従来の姿勢を軌道修正し、
改革を進めようという方向に変化してきました。

 

健康保険でも、
2014年からこれまで1割だった70~74歳の人たちの
自己負担割合が、2割に引き上げられました。

 

さらに介護保険でも、
2015年8月から所得の多い人の自己負担割合が、
1割から2割に引き上げられます。

 

給付減と負担増は、すでに始まっています。

 

現在、現役で働く私たちが、老後を迎えるころには、
年金や社会保障のサービスはさらに縮小している可能性が高く、
一層の自助努力が求められることになりそうです。

 

詳細は、拙著「公務員のためのお金の教科書」(翔泳社)をご覧下さい。