現在の生活を守り、将来に備えた健全な家計管理をめざすには

アベノミクス効果による好景気や、円安で海外からの観光客が増加したなど、ここ数年、上向き経済をうたったニュースは聞こえてきますが、景気の恩恵を受けているのは一部の大企業だけ。
中小企業はむしろ円安のマイナス影響が深刻だったり、消費増税や物価上昇に対して給料が追いついていないなど、多くの市民の実感としては、現在の景気傾向が必ずしも好材料のものとなっていないのが実情のようです。

一般会社員にとって終身雇用制は過去の話。安定であるはずの公務員は給与や優遇策の見直しを迫られ、公的年金や介護制度も不透明で、私たちを取り巻く環境は厳しくなる一方です。

自分の身は自分で守る時代となった今、現在の生活と老後に備えるために、私たちはまず何をすべきなのでしょうか?

家計簿をつける最大のメリットとは

以前のコラムで「家計の見える化」の重要性についてお話ししましたが、今回はそれを実際に見える形にすること…家計簿をつけるメリットについてご紹介いたします。

一定収入のある若いうちはお金への危機感が薄くなりがちで、よほどの赤字にならない限りどんぶり勘定でもやっていける気がするものですが、安定収入が見込めなくなる年齢になったり、年金収入だけが頼りになってくると、収支の金額が逆転したり、不意の出費や年を取ってからの病気など、不測の事態に慌てることにもなりかねません。

その点、家計簿で管理された家計は、家計全体の収入がいくらで、そこから何にお金が消えているか、一ヶ月の予算と実際の収支がいくらであるかが一目瞭然にわかります。
また、過去の家計実績から年間予算を割り出し、レジャー計画やいざというときの蓄え、子どもの教育資金や老後資金に備えた長期予測をたてることもできます。

家計見直しの近道は、まずは支出の洗い出しから

家計簿をつけることが大事だとはわかっていても、「忙しくて毎日つけられない」という方には、まずは毎月の出費を一覧にして書き出すことをおすすめします。

「面倒くさくてやめてしまった」という方もあきらめないで。何に使ったのかわからない使途不明金をなくすことを目標に、何にいくら使ったかを洗い出すことから始めましょう。そうすることで、現状の家計の問題点を把握し、改善点を探しやすくなります。

出費一覧表で使いすぎ項目が見つかったらしめたもの。家計の無駄を省き、スリム化を図る対策を講じることで、お金に振り回されない生活と、来るべき将来にもびくともしない蓄えと備えをもった健全家計を手に入れましょう!