バランスシートを家計管理に取り入れて、家計資産の現状分析を
みなさんは、バランスシートという言葉を聞いたことがありますか?
バランスシートとは、紙面左側の借方(資産)と右側の貸方(負債・純資産)の双方が釣り合っていることから名付けられた、天秤を意味するラテン語が語源で、日本でいうところの貸借対照表のこと。
企業における賃借貸借表とは、開業時や決算時、月次報告などで、株主や債権者に資産、負債、純資産の経営状態の情報を提供するための財務分析資料にあたります。
今回は、このバランスシートの考え方を家計管理に取り入れて、家計の財務体質を強化し、さらに健全な家計戦略を立てる秘訣とコツのお話をいたしましょう。
バランスシートによる家計資産の分析方法について
家計簿をつける習慣が身について、家計の支出の内容や推移を把握し、家計をコントロールすることができるようになったら、ぜひバランスシートで家計資産の分析をしてみましょう。
日々の家計費や毎月の収支の改善を図るだけでは、家計全体の資産(財産)と負債(借金)のバランスを俯瞰して見るのには不十分です。できれば一年に一度、資産と負債を洗い出し、トータルでチェックすることが大切です。
まずは手書きで、紙を左右に区切って、左側の資産の欄に、固定資産(預貯金・住宅・車・現金化が可能な財産など)、運用資産(株・投資信託などの時価評価額)、貯蓄型の生命保険(返戻金額またはざっくりした支払額)を記入します。右側の負債の欄には、長期ローン(住宅ローンや自動車ローンなど)、クレジットカードやキャッシングの未払い金、奨学金や借金の残額などを記入します。
最後に、負債の欄の下に、資産の総額から負債の総額を引いた額を純資産として記入してみましょう。このとき、純資産の額がプラスになっていればひとまず安心、マイナスであれば債務超過ということになります。
バランスシートの活用で純資産を増やす戦略作り
家計の財務体質を健全に維持するためには、前年よりも資産が増え、負債が減っていることが重要です。
資産を増やすには、手持ちの資産を元に運用する、貯蓄を増やすなどの対策を。負債を減らす方法としては、住宅ローンの繰り上げも一案ですが、いざというときの出費に備えて、生活費の半年分程度の預貯金を確保してから検討することが大切です。
わが家の資産状況を把握し、中長期的な視点に立って家計の問題点を見つけることにより、家計の目標やライフプランが立てやすくなります。
そのためにも、毎年同じ時期にバランスシートを作成活用して、純資産を増やす戦略を立てましょう。