日本経済新聞は、
「東証一部の時価総額が22日、
591兆円に達し、バブル経済期(1989年12月)の水準を
約25年ぶりに上回り、過去最高となった。」と報じました。
時価総額が過去最高となった理由には、
次のようなことがあります。
(1)資本市場を活用する企業の広がり
22日の日経平均株価の終値は2万264円で、
89年12月の最高値3万8915円のほぼ半値ですが、
上場銘柄数は1165社から1883社に約6割増え、
時価総額の拡大を支えました。
(2)日本企業への期待の高まり
リーマンショック後日本企業は、事業の選別と集中、
経営体質強化、技術革新、海外展開などの構造改革を
強力に推進し、収益を拡大しました。
その結果、欧米の投資家が重視する自己資本利益率(ROE)を高めたり、株主還元を増やしたりする動きが強まり、
日本株への投資意欲を喚起しています。
株価が一株利益の何倍まで買われているかを示す株価収益率(PER)は、バブル期に単独ベースで62倍でしたが、
現在は17倍で、株価はバブルではなく企業の経営実態を
反映したものになっています。
(3)多額の海外マネーの流入
海外マネーが日本株への期待を強めており、
海外勢の5月の東証の売買シェアは68%(89年は8%)、持ち株比率は31%(89年は4%)と存在感を高めています。
世界に目を転じれば、ニューヨーク証券取引所の時価総額は、
4月末時点で約2350兆円と東証の4倍となっています。
日本企業が、さらに企業価値を高めるためには、
豊富な資金を活用し成長力や
株主還元を強化する必要があります。