今、妊娠中ですが、医療保険に加入できますか?
妊娠中であっても、医療保険に申し込みはできます。
(保険会社によって、たとえば、妊娠28週以降は加入できないという制限がつくこともありますが・・・・)
ただし、「部位不担保」が付くことになります。
「部位不担保」とは特定の体の部位について、一定期間保障されないというものです。
妊娠中の場合は、「子宮全体」について、加入してから、1年間「子宮」が部位不担保となり、保障されません。(1年経過しますと自動解除となり保障が開始されます)
ですので、妊娠中に医療保険に加入できたとして、もしも帝王切開や切迫流産で入院した場合は、手術給付金や入院給付金は「部位不担保」が付いているため保険金は支払われません。
そのような説明をしますと、残念そうなお顔をされて
「なんだ、もしも帝王切開で入院したら困るから加入したかったけど、もらえないのなら、出産した後で加入するわ・・・」とおっしゃいます。
もちろんその考えでもよいのですが、それで後悔する場合もあります。
<妊娠中でも加入しておいたら良かったと後悔する場合>
第1子を普通分娩ではなく、医療出産、たとえば帝王切開で出産した後、あらためて医療保険に加入しようとした場合、(これも保険会社によって査定結果は異なりますが)
妊娠に関する入院や手術に関して、3年~終身にわたり保障されない
(妊娠にまつわる入院や手術のみ不担保)というきびしい条件が付く可能性があります。
※加入年齢や1回目の医療出産状況により、査定結果は異なります。
そんなことなら、最初の妊娠中に子宮の部位不担保という条件がついても、1年たてば自動解除となるため、部位不担保の条件承諾をして加入しておけばよかった・・・ということになります。ただご自身が妊娠中に帝王切開になるか妊娠中毒や切迫早産のため入院するかどうかわかりませんし、想像したくもないですね。
どのぐらいの頻度で帝王切開になったりするものでしょうか?
<帝王切開となる確率>
日本の人口が減少して出生率が減少傾向であり、出産回数は減少傾向にあるにも関わらず
今では5~6人に1人が帝王切開で出産するそうです。
厚生労働省 平成22年我が国の保健統計によりますと、一般病院の帝王切開の割合は23.3%(4人に1人)一般診療所では13.3%(6人に1人)となっています。
過去20年間で約2倍になっています。(厚生労働省 我が国の保健統計より抜粋↓)
※クリックすると拡大します↓
<帝王切開が年々増加傾向になる理由>
●検査技術の進歩により胎児の健康状態や母体の様子が良くわかるようになり自然分娩で難しいと事前に判断できるようになった
●高齢出産(35歳以上)、不妊治療による多胎出産などリスクが高い出産の増加
などがあげられます。
最初に妊娠が帝王切開で出産した以外に、切迫早産や妊娠中毒、切迫早産を経験したことや、まだ妊娠をしていなくても、不妊治療で通院中の場合も、部位不担保がつく可能性があります。保険会社の査定にもよりますが、妊娠中毒となり、部位不担保どころか、医療保険そのものが謝絶(加入を保険会社から断られる)になった方もいらっしゃいます。
こうなると妊娠中でも加入しておけばよかった・・・となります。
先々のことまでよく考えていない方がほとんどで、妊娠中は、出産にまつわる保険金がおりないということで、加入の先送りをする方に対して、部位不担保となっても妊娠中でも加入すべきとは言いませんが、このように女性の場合は、「妊娠・出産」という経験をすると、男性よりも医療保険に加入しづらいと言えるでしょう。