繰り上げ返済とは、
毎月の返済とは別に、
住宅ローンの一部または
全額を前倒しで返済することです。
残債の一部を返済する
繰り上げ返済には、
「期間短縮型」と「返済額軽減型」の
2種類があります。
期間短縮型は、
返済期間を短くする効果があります。
定年退職後も
ローンが続くなどで、少しでも
早く終わらせたい人には、
このタイプが向いています。
一方、返済額軽減型は、
返済期間は変わりませんが、
毎月の返済額を引き下げる効果があります。
同じ額を繰り上げ返済した場合は、
期間短縮型のほうが
利息軽減効果は大きくなります。
しかし、教育資金がかかり
出費を減らす必要がある場合や、
妻が仕事を辞めるなど
収入が減るような場合には、
返済額軽減型のほうが
家計を安定させることができます。
繰り上げ返済には、
利息軽減効果がありますが、
がんばって繰り上げ返済に励むのは、
やはりお得なのでしょうか?
遺産相続で突然
大金が入ってきた、
というような場合でない限り、
したほうが良いと判断できる
ケースはほとんどありません。
効果はあるものの、
その分貯蓄が減るため、
ライフプランを狂わせてしまう
おそれがあるからです。
繰り上げ返済は、
場当たり的に行うのではなく、
他のライフイベントや
教育資金・老後資金の準備に
支障がないかを十分に確認しましょう。
詳細は、拙著「公務員のためのお金の教科書」(翔泳社)をご覧下さい。