日本経済新聞は、
「世界の株式市場の時価総額の合計が
4月末に75兆ドル弱(約9000兆円)に増え、
最高を更新した。
主要国の金融緩和などを背景に
日本や米国、ドイツなどで歴史的な
株高になり、世界の国内総生産(GDP)
合計(74.7兆ドル)に匹敵する額に膨らんでいる。」
と報じています。
時価総額とは、
個別企業の株価に発行済み株式数をかけて
算出するもので、株式市場に流入するマネーの総量を示します。
株式時価総額とGDPのバランスは、
株価の過熱の度合いを見る物差しの一つとされ、
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が注目することから
「バフェットの指標」とも呼ばれています。
世界の時価総額は、
ITバブル期の1999年、
金融危機前の2006~07年に
GDPを上回っています。
現在の状況は、
バブルには至っていないかもしれませんが、
緩和マネー主導の株高に警戒感が
出てきているのも事実です。
さて、今後はどうなるのでしょうか。
米国は、最近発表された
3月の貿易収支の赤字が
2月に比べ約43%の増加と
1996年以来の大きさを記録しました。
さらに、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が
「米株価はかなり割高」と発言し、
米利上げ開始時期も9月から12月へずれる
との観測も出始めました。
また、欧州はギリシャ問題を抱えております。
日本も決算発表時の2016年度の見通しは
例年通りかための予想になるであろうことなどを
総合的に勘案すると、これまで続いてきた株高・円安が、
一時的に調整局面に入るのではないかとの予測が
多くなってきております。